Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新 (Azure AI Platform announcements: New innovations for developers)

Azure AI Platform announcements: New innovations for developers


Joseph Sirosh (Corporate Vice President, Artificial Intelligence & Research)

人工知能 (AI) は、デジタル トランスフォーメーションの最も強力な推進力の1つとして現れました。Microsoftは、開発者、データ サイエンティスト、エンタープライズが、独自の差別化された方法で人間の知恵を増強するシステムを構築できるように、AIの力に簡単にアクセスできるべきだと信じています。本日、Microsoft Build 2018で、100万以上の開発者、お客様、パートナーとデジタル トランスフォーメーションに関して会話しながら、Azure AIプラットフォームにおける最新で最も心躍るいくつかの革新を共有できて、嬉しく思います。

Azure AIプラットフォームは、3つの主要な機能セットで構成されています。

(1) AIサービス (図1): これには、Azure Cognitive ServicesやCognitive Search (Azure Search + 統合されたCognitive Services)といった事前構築済みAI機能、Azure Bot Serviceを使った会話型AI、Azure Machine Learning (AML) を使ったカスタムAI開発が含まれています。

AI Services in Azure

図1: AzureのAIサービス

(2) AIツール/フレームワーク: これには、Visual Studio Tools for AI、Azure Notebooks、Data Science VM、Azure Machine Learning Studio、AI Toolkit for Azure IoT Edgeが含まれています。

(3) AIインフラストラクチャ: これには、Azureデータ サービスAzure Kubernetes Services (AKS) を含むコンピューティング サービス、GPU、FPGAを含むAIシリコンのサポートが含まれています。

Cognitive Servicesは、開発者が音声認識、音声合成、ビジョン、言語理解、翻訳、知識、検索といったAI機能を簡単に追加するための、クラウドにホストされたAPIです。本日、Cognitive Servicesの心躍る新たないくつかの革新を発表します。

  • 独自のデータで物体検出をカスタマイズできる機能を含む、大幅に拡張された物体検出機能で、Visionサービスがアップデートされました。OCR機能が大幅に改善され、Bing Visual Searchがクエリとしての画像で検索するAPIを提供するようになりました (図2)。また、ビデオ ストリームを理解しインデックス作成する強力な機能であるVideo Indexerのパブリック プレビューを発表します。
  • トレーニング可能なカスタム音声認識、カスタム音声合成、カスタム音声翻訳といった新しいカスタマイズ可能な機能を備えた、統一されたSpeechサービスを開始します
  • また、エッジやモバイル デバイス上へのデプロイをサポートするために、Custom Visionモデルをエクスポートできる機能を備えた、エッジAI機能を追加します

Similar image results with Bing Visual Search, powered by Bing

図2: Bingで動作しているBing Visual Searchを使った類似画像の結果

今までに、主要な自動車保険プロバイダーのProgressive、British Telecom、Box.com、KPMG、Big Fish Gamesを含む、100万以上の開発者が既にCognitive Servicesを見つけて試しています。さらに学び、AIが注入されたアプリをすぐに構築し始めるには、AzureのCognitive Servicesサイトドキュメント ページにアクセスしてください。

あらゆる開発者のために検索機能を利用

AI投資のもう1つの主要領域は、(それが、インターネット上の世界の知識の検索であろうと、独自の企業データリポジトリの検索であろうと) 検索です。開発者は、一連の単純なBing Search APIを使って、ウェブ ページ、ビデオ、画像、ニュースなどについてインターネットをクエリする力を追加できるようになりました。数行のコードであらゆるアプリにこれらのAPIを埋め込み、ユーザーがリアルタイムに地球上の知識から適切な情報を見つけるのを助けることができます。アップロード、インデックス作成、検索を行いたい非パブリック データに対しては、Azure Searchがマネージドでエラスティックなクラウド検索サービスを提供しています。

本日、Cognitive Searchと呼ばれる新機能を発表します (図3)。これは、Azure Searchと密に統合された、コンテンツ理解に対するAIファーストのアプローチです。Cognitive SearchはAzure Portalで利用可能であり、開発者は、数分でゼロから検索インデックス内のAIで強化されたコンテンツまで進むことができます。Cognitive Searchは、組み込みのファイル リーダー (PDF、Office形式など)、およびOCR (手書きテキスト、印刷テキスト)、エンティティ認識、主要フレーズ抽出、言語検出、(タグ、記述、顔を返す) 画像分析などのためのコグニティブ スキルをサポートしています。Cognitive Searchは、Webhookを基にした組み込みの拡張性を持っており、開発者がCognitive Searchフレームワークの中に留まりつつ、機能を追加できます。Cognitive Searchは、多様なAzureデータ ソースからデータを引き出し、コグニティブ スキルを使って知識を抽出し、この知識を整理して検索インデックスに格納することができ、これがデータを探索するための新しいエクスペリエンスを可能にします。

お客様によるCognitive Searchの活用方法の、いくつかの例を示します。

  • ヘルスケアの組織は、つながって関連している必要がある (病院名などの) 一般的なエンティティや (薬や病名などの) ドメイン固有なエンティティへの参照を含んでいる、大量のテキストのインデックスをインテリジェントに作成するために、Cognitive Searchを適用します。
  • 金融サービスは、社員や顧客に、スキャンされたドキュメントを含む自分の情報アセットのグローバル ビューを提供するために、Cognitive Searchを適用します。
  • 石油ガス企業は、場所、人 (ドメイン エキスパート)、イベント、画像をつなげ、主要な決定を行うために、このすべての情報を扱います。

Cognitive Search, an AI-first approach to content understanding

図3: Cognitive Search – コンテンツ理解に対するAIファーストのアプローチ

さらに学び、構築し始めるには、Azure Portalにアクセスし、Azure Searchサービスを作成します。インポート データ フローの中に、「Cognitive Search」ステップが見つかります。さらなるコグニティブ スキルの使用方法、独自データを使った強化プロセスの拡張方法を学ぶには、ドキュメントを確認してください。Cognitive Searchをパブリック データセットに適用したシナリオを調べるには、AI.labのJFK Filesデモを確認してください。皆さんが構築したいもののための出発点としてJFK Filesを使いたい場合に備えて、我々は、JFK Filesアプリケーションのライブ バージョンを公開し、GitHubにコードを投稿しました。

会話型AIは、コンピューティングにおける次のユーザー インターフェイスの波の到来を告げています。我々は、コンピューターを学習して適応する必要がある世界から、会話型で我々を理解して対話するために、コンピューターが学習する世界に進化しています。これらの対話は、言語、音声、意味論的理解から始まり、現在、ジェスチャーを含む高度なマルチ モーダルの対話に拡張されつつあります。

本日、Azure Bot Serviceのアップデート、Bot Builder SDK v4のパブリック プレビュー、QnA MakerのGA (一般提供)、(Project GestureProject Personality ChatProject Conversation Learnerといった) Cognitive Services Labsからの新しい実験的プロジェクトのリリースを含む、会話型AIツールに関連する主要なアップデートを発表します。Personality Chatは、雑談を処理し、受け入れられないフォールバック応答を削減することで、インテリジェント エージェントをより完全で会話型にするのに役立ちます。3つの人格 (専門的、友好的、ユーモアのある) のうちの1つで、自分のエージェントに雑談させることができます。Personality Chat Cognitive Services Labsで、デモを試し、応答生成テクノロジについて学んでください。Bot Builder SDK v4と統合するために、100個の最も一般的な雑談シナリオの、カスタマイズ可能な編集ライブラリを入手可能です。このブログ ポストは、会話型AIのすべての発表に関するさらなる詳細を提供し、新たにアップデートされたいくつかのサービスを説明しています。

Azure Machine Learning (Azure ML) のアップデート、

本日、Azure MLの一連の強力な新機能も発表します。

  • Azure ML SDK for Python (プレビュー): このSDKは、完全にPython内で (コンピューティングのプロビジョニング、モデルのトレーニング、モデルのデプロイ、スコアリングという) 主要なAML (Azure Machine Learning) ワークフローを実行するための、単一のコントロール プレーンAPIを、データ サイエンティストに提供します。このSDKは、多様なCPU/GPU構成をサポートするサーバーレス ファブリック上での、単純でシームレスなジョブの送信と管理を可能にし、TensorFlow、CNTK (Microsoft Cognitive Toolkit)、scikit-learnなど、すべてのPython互換フレームワークのサポートを備えています。このSDKは、(自分のチームのすべての実験を確認し、それらを迅速に並べて比較し、デプロイしたいモデルを選択するための単一画面を提供する) AML実験サービスに完全に統合されています。
  • コンピューター ビジョン、財務予測、テキスト分析向けのAzure ML Packages (プレビュー) (図4): Microsoftのデータ サイエンス チームは、長年にわたって、複数のデータや顧客シナリオで作業してきています。我々は、このプロセスで、あらゆる組織が直面する問題を解決するための共通のアプローチを識別し、その洞察から特定のパッケージされたアルゴリズムを開発しました。Azure ML Packagesは、深層学習 (ディープ ラーニング)シナリオを高速化し、データ サイエンティストが高度に正確で効率的なモデルを簡単に構築、トレーニング、微調整、デプロイできるようにする、Pythonで書かれpipインストール可能な一連の高度なAzure ML拡張機能です。さらに学び、作業を開始するには、AML Packagesの概要として「Python packages for Azure Machine Learning」Azure Machine Learning PackagesのPythonリファレンスをご覧ください。

Azure ML Packages for Computer Vison, Financial Forecasting and Text Analytics

図4: コンピューター ビジョン、財務予測、テキスト分析向けのAzure ML Packages

プレビューが始まったML.NET (図5) は、.NET開発者向けのクロス プラットフォームでオープン ソースのML (機械学習) フレームワークです。これは、機械学習におけるMicrosoftの最新で最高の革新の、エンタープライズ級のソフトウェア ライブラリです。Bing、Office、Windowsなどのチームが、長年にわたって、(データ投入、特徴化、変換、モデルのトレーニング、パイプラインのデプロイを含む) データ サイエンス パイプラインのすべてのステージにわたる複数のデータと顧客シナリオで、ML.NETを使っています。さらに学び、作業を開始するには、https://github.com/dotnet/machinelearningにアクセスしてください。

ML.NET, a cross-platform open source machine learning framework for .NET

図5: ML.NET – .NET向けのクロス プラットフォームでオープン ソースの機械学習フレームワーク

Azure MLとProject Brainwave: Azure MLと統合されたProject Brainwaveのプレビューを発表します (図6)。Brainwaveは、ハードウェア高速化で超高速なAIを可能にする、ディープ ニューラル ネットワーク処理のためのアーキテクチャです。Brainwaveは、極めて短いレイテンシの推論と転移学習のために、当初は、Intel FPGAハードウェア上でResNet50ベースのニューラル ネットワークをサポートします。社内のパフォーマンス メトリックを基にしたProject Brainwaveの約束は、リアルタイムAI、特に単一 (バッチ サイズ1) の推論のための、業界最短のレイテンシと業界最低のコストです。

AML and Project Brainwave for Real-Time AI Inferencing at cloud scale

図6: クラウド スケールのリアルタイムAI推論のための、AMLとProject Brainwave

これらの発表は、AIを地球上のあらゆる開発者、あらゆる組織に持ち込み、企業が独自の差別化された方法で人間の知恵を増強するという、我々の継続的なミッションの一環です。AIが皆さんのデジタル トランスフォーメーションの取り組みをどのように増強し、それに力を与えるかについて、さらに学ぶために、www.azure.com/aiAI Schoolにアクセスすることをお勧めします。

azure.com/ai & AI School

Joseph
@josephsirosh

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